大震災2年半 人口・港、震災前水準に届かず

1997年7月17日

 被災地は17日、阪神・淡路大震災から二年半を迎えた。仮設住宅の入居世帯は3万を切り、恒久住宅への移転が本格化しつつある。震災で流出した人口は少しずつ回復しているが、まだ街のにぎわいが戻ったとはいえない。ハード面が全面復旧した神戸港も低迷状態が続く。震災前と比較した数字は伸び悩みが見られ、課題が被災者に重くのしかかっている。

人口

 被災地十市十町の人口は6月1日現在、約345万3千人で、震災前に比べ約13万6千人少なく、依然として住民は戻っていない。被災地全体では、昨年春以降、人口滅に歯止めがかかり、回復傾向にあるが、神戸市長田、兵庫区などは、3年目に入っても減少が続く。以前からインナーシティー問題を抱えた地域で、震災によって人口滅に拍車がかかったとみられる。

復興住宅

 3万8600戸建設予定の災害復興公営住宅は、6月末現在、2万333戸の入居が決定した。既に完成しているのは約1万3800戸、入居済みは1万2600戸。仮設住宅の住民が占める割合は、入居決定の60%に上っている。兵庫県は、1999年3月までに公営住宅はすべて完成し、99年9月までに入居完了、としている。

生活再建

 今年4月から受け付けが始まった被災高齢者や要援護世帯のための生活再建支援金(月額2万5千〜1万5千円)は、初回の支給が八月上旬になる見込み。神戸市には6月末現在、約2万2千件の申し込みがあるが、約7千件は要件を満たさないなどの理由で書類を返却している。市は対象を2万件と見込んでいたが、上回る可能性もある。

 一方、公的支援の市民立法案は国会で継続審議となった。17日の全国知事会議では、兵庫県などの基金案をベースに、生活支援目的の基金構想を論議するが、阪神大震災へのそ及は盛り込まれていない。生活再建は3年目に入っても大きな課題で、公的支援を望む声は強い。

神戸港

 神戸港は今年4月、全面復価し、コンテナ船の受け入れ態勢が整った。しかし、港湾施設使用料の割高感や東アジアの他港の台頭で国際競争力が低下するなど、港の勢いは低迷している。昨年1月以降のコンテナ取扱量をみると、前半はほば80%台(震災前年同期比)と順調に回復したが、その後の半年間は70%台に低下した。今年に入っても1、4月以外は70%台と、頭打ち状態。コンテナ船入港隻数も80〜90%台にとどまり、低水準が続いている。

復興需要冷め求人減 雇用倒産増え再び厳しく

 震災から二年半を迎えた被災地では、一時好転した雇用環境が再び厳しさを増している。復興需要が一段落し、建設などの仕事場が少なくなっているほか、中小企業の倒産が多発し新たな失業者が出ているためだ。雇用の場の喪失は、本格的な生活再建を目指す被災者に大きな影を落としている。

 兵庫県の5月の有効求人倍率は0.58となった。求職者2人に対して1人分の就職口がある計算。震災直前の94年12月に0.46となった後、震災後は復興事業などで徐々に好転していたが、昨年末の0.66をピークに低落傾向にある。

 全国の数字も昨年末の0.78から五月は0.73へと下がっているが、兵庫県内の落ち込み幅は大きい。5月の県内の有効求人倍率を地域別にみると、神戸地域が0.46、阪神地域が0.41。丹波、但烏、淡路などの地域は0.84〜0.88で、被災地の厳しさが際だっている。

 県内の新規求人数をみると、とくに建設業での落ち込みが激しい。復興に伴う建設ラッシュで震災直後に約5千人だった求人数は、5月には2,870人となり、前年同月比で18.4%もダウン。全産業でも5.9%滅。

(7月17日付け 神戸新聞朝刊)

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