震災直接被害 商工業6兆円

1997年8月13日

 阪神・淡路大震災が、被災地の産業面(商工業)にもたらした直接被害額は約6兆円で、それに付随した間接被害額は震災後1年間だけでも約7兆2千億円に達していたことが12日、神戸大学国際協力研究科の豊田利久教授がまとめた試算結果で明らかになった。産業面の直接被害額については、これまで兵庫県が震災直後に推計した2兆5千4百億円が“公式統計”とされているが、今回の数字はこの約2.3倍。今回はじかれた産業面の直接被害額に、県が算出している住宅、公共インフラの被害額を合わせた直接総被害額は13兆2680億円に上り、震災被害の大きさをあらためて浮き彫りにした。

 試算によると、震災で社屋や設備が損壊した直接被害総額は5兆9270億円。地区別では「神戸市」の3兆2900億円が圧倒的に多く、「尼崎市」の7730億円、「西宮市」の6200億円と続く。業種別では「卸売・小売・飲食店」がトップで1兆5470億円、続いて「製造業」の1兆5100億円で、この二業種で半数を超えた。また、震災で製造・販売の機会を失ったり、得意先や人口の流出で生じた損害を示す間接被害総額は7兆2270億円。

 地区別では、道路事情の悪化や域内の消費落ち込みが響いた「神戸市」の3兆9720億円を筆頭に、「尼崎市」の1兆30億円、「西宮市」の6850億円と続いた。

 業種別では「卸売・小売・飲食店」が2兆9280億円で、「製造業」(1兆2030億円)の約2.4倍。人口減の影響が想像以上に深刻だったことがうかがえる結果となった。

 一方、県は震災直後、産業面に住宅や公共インフラなども合めた直接被害の推計総額を9兆9268億円とはじいている。しかし、豊田教授はこの数字に、産業面における県の過小見積もり分(今回調査の5兆9274億円から県の推計2兆5400億円を差し引いた3兆3874億円)を加えた上、推計作業後に判明した鉄道会社の損害確定分の修正分460億円を差し引いた13兆2682億円が、ストックの直接被害、としている。

 試算結果をまとめた豊田教授は「間接被害はその後も増え続け、相当な額になっているとみられる。このデータを今後の復興施策にも生かしてほしい」と話している。

 今回、採用した推計方法は、調査したサンプル企業約1250の直接・間接被害額の平均を、被災十市十町の被害程度を考慮に入れたうえ、市町ごとの募集所数を乗じて算出した。

(8月13日付け 神戸新聞朝刊)

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