被災地経済の実態調査 復興の“失速”顕著に

1997年10月29日

 8割復興といわれる被災地経済の回復が、最近になって失速傾向にあることが28日、阪神・淡路産業復興推進機構の「産業復興実態調査」で分かった。業績を震災前水準に戻した事業所が、再び売り上げ低迷に陥る“バックスビン現象”が顕著になっており、地域、業種、規模別の復興格差がさらに広がる兆しも出ている。

 調査は、震災年の95年12月から6ヵ月ごとに実施しており、今回は4度目。6月に、被災十市十町の4万7176事業所を対象に実施し、22%に当たる6,154事業所から回答を得た。

 まず、経済復興の現状についての質問では、「進んでいる」が45%(前回=昨年12月比1.4ポイント増)となり、「遅れている」の40.8%(同4.7ポイント減)を初めて上回った。

 しかし、売上高の動向については、「震災前水準に回復」と答えた事業所が20.6%と、前回比9.4ポイント減った。また、「震災前より減少」が48.7%と同3.1ポイントも増加。一方で、「震災前より増加」は一八・五%で同1.2ポイントの伸びにとどまった。全体として、いったん震災前水準に戻った事業所の売上高が、再び滅少する傾向が目立っている。

 また、売上高が滅った2,995事業所の滅収理由(複数回答)としては

1,顧客数の滅少(61.1%)
2,景気回復の遅れ(51.1%)
3,一社当たりの取引量や一人当たりの購買額の低下(44.8%)

−が上位を占め、震災の影響に加えて、景気回復の遅れや個人消費の低迷が足かせとなっている実態が浮き彫りになった。

 さらに、滅収事業所を地域別に見ると、神戸や芦屋市など震災で人口が大幅に滅少した地域で目立ち、規模では従業員1〜4人の零細企業が多い。また、業種別では、飲食・小売り、ホテル・旅館など地域密着型業種や観光関連の比率が高い。

 一方、行政に求める支援内容(複数回答)では、これまでトップを占めた「道路・港の整備」が下位となった半面、「まちづくり事業推進」が39.9%、「住宅の整備」が28.6%と上位に浮上。人口の回復につながる抜本的な復興施策の展開を求める声が高まった。また、「新規借り入れのための金融支援」30.6%)、「返済期限延長などに既存借入金対策」(28.2%)など、資金面の支援を求める声が依然として強い。

(10月29日付け 神戸新聞朝刊)

2005,7, 3
ウェブサイトを全面リニューアルしました。今後ともよろしくお願いします。

「被災地生活実態調査報告」をアップしました。

ホームお知らせ活動報告コラムデータベース震災の記事団体概要ギャラリーご相談・質問リンクサイトマップ
2005 Hyogo-prefecture Earthquake-victims Network, All right reserved.