5.まとめ (「多様なプロセス」「復興格差」「復興層の内的矛盾」)

(1) 自力復興被災者には持家層が多く見られること、特に被災時に何らかの事由によって被災住宅を離れにくい居住地限定層が、自力復興を選択したと見られる。この事実は、被災者の住宅復興が「避難所 →仮設住宅 →恒久住宅」という行政の想定した単線型ではなく、多様な復興メニューの準備を必要としたことを示している。

 とりわけ、大都市部に多数居住していたファミリー層の借家居住者の復興プロセスが決定的に欠如していたことが指摘できる。


 
(2) 全壊(含全焼)認定を受けた被災者7割強が、新築による住宅復興を選択している。逆に半壊(含半焼)認定を受けた被災者は、7割強が補修による住宅復興を選択している。この結果、震災直後に行政が実施した全半壊判定が、その後の被災者の住宅復興や生活再建の方向を決定づける基準になったことを示している。
 特に「全壊認定→公費解体→新規建設」という自力復興のシナリオが、震災復興にとって本当に妥当であったのかは、改めて検証する必要があろう。

(3) 新築対応を選択した自力復興の被災者は、大きな経済的負担を強いられる結果になっているとみられる。また、補修対応を選択した自力復興の被災者も、防災上の観点からすれば構造上の安全性への不安を抱えたままの復興となっている。被災住宅ストックに対する安全性の点検は、被災災自治体に課せられた緊急の行政課題と言えよう。

 

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2005,7, 3
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